【買いたいバイク=大型バイク】
【買えるバイク=250cc以下バイク】
いつもこの選択肢を選べず、ズルズルと「リターンライダーを夢見る少年」で止まったままの自分が居る。
「だったら買いたいバイクを買いなよ」
そんな声が聞こえてきそうだが、リターンライダーにとって「買いたいバイク=乗り続けられるバイク」、とは必ずしも言い切れないのだ。
【買いたいバイク=楽しい】とは限らない
大抵のリターンライダーが買いたいと考えるバイクは、大型バイクである。
CB1300とかハーレーなどはその代表格だが、「見て良し」「乗って良し」「持って良し」の三拍子が揃っている。
しかし実際に乗ってみると、これが意外と楽しくない。正確に云うなら「楽しみきれない」、といった方が正しいだろう。
①加速性能や運動性能が優れた「スポーツ寄りのバイク」は楽しみきれない
②見た目が格好良く「ファッション性に優れたバイク」は楽しみきれない
この2つに分けられる。
・命の危険を感じる
・有り余るパワーを扱いきれない
・コケた時の金銭的損失がデカい
・コーナーが楽しくない
・加速性能が不満
・服装など身なりに気を使う
贅沢な悩みだが、どちらを選んでも一長一短でいつも答えが出せない。
これが250ccクラス以下ならもっと気軽に乗れるのだが、大型バイクともなるとそうはいかない。
やはり買いたいバイクと言うだけの理由では、バイクを簡単に購入することは出来ないのだ。
【買えるバイク=つまらない】とも限らない
「買えるバイク」とは、体力的にも金銭的にも負担が軽いバイクの事だ。
主に250ccクラス以下のバイクを指すが、乗るのも買うのも悩まないということは、余計な事を考えずにバイクを楽しむことが出来るという事だ。
・駐車場からバイクを出す時
・カバーやセキュリティに神経をあまり使わなくて良い
・汚れても気にしない
・傷付けても精神的ダメージが少ない
・ローンを組まずに買える
・維持費も大型より比較的安い
・服装もコテコテのバイクファッションじゃなくても良い
構えなくても気軽に乗れるバイクなら、大型バイクよりもストレスフリーでバイクを楽しむ事が可能だ。
どちらの方が長く乗れる?
「好きだから長く付き合っていけるのか」
「気軽に楽しめるから手放さずに済むのか」
こればかりは人それぞれだ。
少なくとも私の経験上、「乗りたいバイク」を選び続けて来たにも関わらず、今は1台もバイクを持っていないというを鑑みるなら、今度は気軽に楽しめる「買えるバイク」を選ぶべきなのかも知れない。
この答えに辿り着くまでに、7台ほど大型バイクを乗り継いだきたが、もっと早く気が付けば金銭的な負担も減っていただろう。
とはいえ、大型バイクに1度乗ってしまうと、なかなか小排気量クラスへは移行出来ないのもバイク乗りの心情だ。
ただの見栄と言われてばそれでお終いだが、せっかくバイクという非日常を手に入れるのに、「手軽に乗れるバイク」なんていう、所帯染みた選択をしたくないのだ。
どちらを選ぶにしても、「長く乗り続けられたバイク」こそ、本当に乗りたいバイクである事は間違いない。
乗ってみないと分からない
自分の身の丈に合ったバイクかどうかは買った時には分からない。買った時が始まりだからだ。3か月後からその真価が問われる。
購入したてのバイクは楽しいばかりだ。天気の良い日を選んで乗ったり一回乗るたびに洗車したりと、バイクという非日常を楽しむ。
しかしバイクに乗り続ける事は、もっと日常的なことである。
バイクカバーを外して盗難防止グッズを外し、ガレージから引っ張り出す作業は、たまのツーリングを楽しむだけなら良い。しかしそれが毎日ならどうだろう?
バイクカバー無しで置けるバイクにしとけば良かったと思うだろうし、もっと言えば盗難防止グッズをしなければいけないようなバイクを買ったことを後悔するかも知れない。
駐車場から出すだけで疲れてしまうような重量級のバイクも然りだ。
にも関わらず欲しいバイクが、高価な大型バイクを選んでしまう理由は、半分以上が見栄なのではないかと思う。
「大型バイクに乗ってますけど、なにか?」的な見栄を取り払った先に、本当の自分が乗りたいバイクがあるのかも知れない。